複合機を検討するならレーザープリンターの複合機がおすすめ!
SOHOなどの小規模のオフィスでは、プリンタくらいしか無いことも少なくないかもしれないが、ときどきコピーが取りたいこともあったりする。
都会であれば、ちょっとしたコピーならコンビニで事足りることも多いと思われる。実際筆者もコピーはコンビニに行くか、スキャナーでスキャンして印刷というちょっと面倒な方法で対応してきた。
しかし、やっぱり面倒なのでインクジェットの複合機を購入して使ってきた。
インクジェットの複合機でもほとんど困らないのだが、たまに利用すると言う前提でいえばインクジェットは目詰まりが起こるので、使う度にクリーニングする必要に迫られたりする。
となると、次第に欲しくなるのがレーザープリンターの複合機だ。
本音で言えばレーザー複合機は少々過剰な気もしたが、上述の通りたまにしか使わないからこそインクジェット複合機では使い勝手が悪い。
逆に毎日のように使うのならインクジェット複合機でも目詰まりの問題は気にしなくてもいいだろうし、ランニングコストもレーザーより安いのでインクジェット複合機でも良さそうだ。
ただし、インクジェットで印刷した文書はどうしてもインクジェット感があるので安っぽく見える点をどう考えるかだ。自分だけが使うなら大して問題ないだろうし、誰かに配るのなら気になるかもしれない。
また、レーザー複合機なら年に一回しか使わなくても普通に使える。しかも、昔ほど高価なわけでもない。
というわけで、どんな機種があるのかを調べてみた。
失敗しない複合機の選び方
複合機と一口に言っても、その機能で、いくつかに分かれる。
まず最初に、何度も書くが、複合機にはプリンターの種類としてレーザープリンターとインクジェットプリンターの2種類がある。プリンター以外の機能については違いはない。
- レーザープリンター
- インクジェットプリンター
印刷速度に関していれば、インクジェットでもレーザー並の速さになっており、遜色ない。
本体価格はインクジェットの方が安価である。ランニングコストもインクジェットの方が安い。
安価なので、たまにしか使わない人がインクジェットの方を選択しがちではあるが、先述の通りおすすめはしない。
たまにしか利用しないのなら尚更レーザー複合機をおすすめしたい。
FAX付きインクジェット複合機は慎重に選びたい!
複合機の機能の一つとしてFAXもあるが、FAXが頻繁に送られてくるのであればインクジェット複合機でも問題ないが、逆に滅多にFAXが届かない場合目詰まりを起こして読めないなんて笑えないトラブルにもなりかねない。
FAX付き複合機を選択する場合は、より慎重にレーザーかインクジェットを選択した方がいいだろう。もちろんレーザー複合機をおすすめする。
ランニングコストならインクジェット複合機!
ランニングコストは印刷枚数が増えるほどレーザーの方が有利ではあるのだが、インクジェットも大容量のタイプのものはランニングコストも安い。
しかし、目詰まりの問題があるためインクジェットは無駄にインクを消費する可能性がある点は注意したい。
位置合わせはインクジェットの方が楽!
余談になるが、例えば、はがきや帳票など決まった位置にキッチリと印刷したい場合は、インクジェットの方が位置合わせがしやすい。
レーザーの場合は加熱されることで紙が微妙に縮んだり丸まったりしてしまうので、どうしてもズレてしまいがちなのだ。
紙の吸い込みも、カセットではなく 背面トレイからの方が紙が真っ直ぐ入るのでズレにくい。
複合機のスキャナにADFは必要か?
さて、他の機能としてはスキャナ機能だが、この機能がついているのが複合機であるので、この機能がない複合機はない。
しかしながら、ADF(自動原稿送り装置)があるものとないものがある。ちなみにADFはオートドキュメントフィーダーとかカットシートフィーダなどと呼ばれることもある。
ADFは複数枚を読み込ませる時にはとても便利なので、予算的に余裕があるのなら使う予定がなくても一応ADF付を選んでおくことをおすすめする。。
たまにしか利用しないならADFが無くても面倒なだけで問題ないし、ADFの紙送りががうまく動かなくて原稿がぐちゃぐちゃになるなど失敗はありがちなので絶対必須とまでは言わないが、あった方がいいのは間違いない。
そうは言っても、だいたいにおいて高価な機種は必要なくても付いているので、実際にはあまり選択の余地はないのかもしれない。
また、ADFの場合、片面しか読み込まないものもあるが、これはやはり両面対応のADFの方が便利だろう。
片面ADFで両面の原稿をスキャンする場合を想像するだけでも面倒臭い。両面対応ADFが付いていれば、両面コピーでさえ簡単にできる。
カラー印刷機能は必要か?サイズはA3が必要?
では、後は何を基準に選べばいいのかというと、カラーか白黒かである。
ここは、価格差がそれなりにあるし白黒の方が高速であるので、カラーをほとんど使わないのであれば、白黒でいいのかもしれないが、何でもかんでも一台で済ませてしまおうというのであれば、念のためにカラーを選んでおけばいい。昔ほど本体価格に差はない。
ただし、トナーなどの消耗品がどうしてもカラーの場合高くなるので、白黒で問題なくて、比較的たくさん印刷する可能性があるのなら、カラーを選ばず白黒を選んでおいた方がランニングコストはかなり抑えられる。
あとは、A4タイプと、A3までに対応しているタイプだが、SOHO向けとなると、基本的にはA4までのものが多い。A3タイプの筐体はSOHOでは少々大きい。価格もそれ相応でA4タイプほど安くはない。
また、A3対応のカラー印刷に対応したものが少ないので、カラーを選ぶならA4ということになるだろう。
給紙は500枚入るカセットが絶対おすすめ
給紙方法だが、これは絶対にカセットから給紙できるタイプがおすすめだ。まず余分な場所をとらないし、埃などの問題もない。
500枚入るタイプのカセットは本当に便利だ。コピー用紙はだいたい500枚単位で購入するが、これを丸ごと突っ込めるのは想像以上に便利だ。
それこそ、たまにしか使わない人ほどカセットから給紙できるものを選んでおきたい。
そうでないと紙や給紙する箇所に埃が付いたりして厄介だ。そういう意味では、毎日じゃんじゃん印刷するのなら埃の心配などはないが、それでも大量の紙を一度にセットできるカセットの方が便利だ。
ただし、大量に印刷するのでなら耐久性などを考えて、複合機ではなくて素直にプリンターを別途用意した方がいいとは思う。
複合機はあくまでも何でも屋であるので、どれもこれも機能的には中途半端なところがあると思っておいた方がいい。
おすすめレーザー複合機の比較
レーザー複合機となると、SOHO向けではブラザーが強い。その次がキャノン、そして、エプソンという順ではないかと思う。よほどのことがない限り、この3メーカーの中から選んでおくのが無難だ。
ブラザーは機種も豊富だが、プリンターと言う点でみると、キャノンやエプソンの方が実績があるのは言うまでもない。しかし、SOHO向け複合機という点でみればブラザーが先駆者である。
キャノンやエプソンなら、プリンターとしては予期せぬトラブルの可能性はブラザーよりは少ないだろうとは思うが、それでも複合機に集中して開発をしているブラザーの方が複合機という点においてはアドバンテージがあるのかもしれない。
というわけで、この3メーカーに絞って紹介する。
CANON MF745Cdwほか
まずは、CANONのMF745Cdwだ。MF743Cdwや、FAXなしのMF741Cdwという似たような製品もある。
このMF745Cdwは、印刷速度はカラー・白黒ともに27枚/分で、ランニングコストはカラー16円、白黒3.1円となっている。FAX、両面印刷、両面ADF、有線・無線LANがついている。
主な違いは下記の通りだ。
製品名 | MF745Cdw | MF743Cdw | MF741Cdw | MF644Cdw | MF642Cdw |
---|---|---|---|---|---|
FAX | ○ | ○ | × | ○ | × |
ページ記述言語 | LIPS LX | CARPS2 | CARPS2 | CARPS2 | CARPS2 |
直売価格 | 104,280円 | 84,480円 | 78,980円 | 65,780円 | 60,280円 |
上記の価格はキャノンのオンラインショップの2021年8月現在の価格だがAmazonなどで買う方が安い。例えば、MF745Cdwはアマゾンで10万円弱で購入できる。
MF743CdwとMF741CdwはCARPS2を搭載している分安価になっている。
LIPSではプリンターがレンダリング処理を行うので、パソコンには負荷ががからないが、その分プリンターにはその機能を組み込んでおく必要がある。
一方でCARPS2はパソコン側でレンダリングを行うため、プリンタ本体はその機能を省略できる分安価になる。その代わりパソコン側に負荷はかかるのだが頻繁に印刷するのでない前提で考えれば、大して問題はないと思われる。
もちろん一日中印刷しまくるというのであればLIPSをおすすめするが、そういう用途なら複合機よりレーザープリンターを購入した方がいいだろう。
複合機はどの機能も必要だけどそんなに使うわけではないという人向けである性質を考えれば、CARPSで十分だと思う。
LIPS LXを搭載したMF745CdwとMF743Cdwでは価格差が2万円ほどある点を考えると特にLIPSでないとという人以外はCARPS搭載モデルで問題ない筈だ。
CANON製の複合機の難点は若干ランニングコストが他社製品より高めというところだ。
もしカラー印刷する量が多いのならブラザー製やエプソン製をおすすめする。
ただし、ランニングコストの計算はあくまでもトナーなどの定価ベースの計算になるため、トナーの割引率が高いと計算が変わってくるし、トナー以外の消耗品もあるので、トータルで計算すると、さほど気にするほどの差でもないのかもしれない。
ちなみに筆者は、CANONのMF735Cdwという機種を使っているが、特に不満はない。
筆者の場合は、主にコピー機代わりに使い、時折FAXを送信したりスキャナとして利用したりする程度だ。プリンターは別に持っているので、複合機のランニングコストに関してはあまり気にしていない。
また、MF644CdwやMF642Cdwは、上位機種より印刷速度がやや遅い。上位機種が毎分27枚印刷できるところが21枚になるが複合機としては十分な速度だろう。
EPSON LP-M720F
次にEPSONのLP-M720Fだ。EPSONはこの製品一択だ。エプソンの場合は、レーザーよりインクジェットに力を入れている印象だ。
印刷速度はカラー・白黒ともに24枚/分。ランニングコストはカラー12.4円、白黒3.0円。FAX、両面印刷、片面ADF、有線・無線LANとなっている。ADFは片面だけになっている。
読み取り速度はCANONとほとんど同速度だ。価格は直売で10万円弱となっている。
耐久性は40万枚を明言しているエプソンの方が良いだろうが、たまの利用を前提にすれば、あまり気にするところではないだろう。SOHOで、しかも複合機で大量の印刷をする人は少ないと思われ、どちらかというと耐久性に問題が出る前に買い換えることになりそうだ。
どういうことかというと、トナーはEPSONの方が安いのだが、EPSONの場合はトナー以外の消耗品が多々あり、それらのコストが結構かかる。しかもその交換時期がまとめて来ると買い換えるのとほとんど変らないくらいの費用がかかるのだ。
これらの点を考えると、CANONの方がコストが分散されていいように思う。いずれにしてもプリンターなどは給紙のゴムのローラーなどは経年劣化していくので長くても10年程度で買い換えるものだし、通常はもっと短期で数年で買い換えるイメージの方がいいだろう。
両面ADFに対応するなど、どちらかというとCANONの方が選択肢も多く、全体的に機能も優れている印象だ。
ブラザー MFC-L9570CDW
次にブラザーの MFC-L9570CDW だ。ブラザーのフラッグシップ・カラー複合機になる。
印刷速度はカラー・白黒ともに31枚/分。ランニングコストはカラー10.2円、白黒1.5円。FAX、両面印刷、両面ADF、有線・無線LANとなっている。
耐久性はプリンタで約20万枚/5年間と、エプソンの半分だが一般的にはあまり問題がないレベルだろう。CANONもこのくらいなのではないかと思われる。
スペック的にはCANONと同等かやや上回る印象だが価格は実売で9万円弱と比較的割安安価である。もっと安価にということであれば、 MFC-L8610CDW や MFC-L3770CDW があり、更に安くなる。MFC-L8610CDWは6万円弱、MFC-L3770CDは5万円弱とかなり安い。
印刷の質など細かな点を考慮するならプリンターメーカーの方が多少まだアドバンテージがあるのかな?とも思うが、事務処理的な使い方であればさほど問題ないレベルにはあるとはいえる。SOHO向けではトップメーカーでもあるので、まず問題ないだろう。
筆者は20年近く前にレーザーモノクロ複合機の初期の頃の製品を買って10年近く使っていたが、実際に問題を感じたことはなかった。インクジェット型に関しては、目詰まりでほとんど使い物にならなかった印象はあるが、レーザーならおすすめできる。
ちなみに何故処分したかというと、故障したとかそういうことではなくて、単に引越すときに邪魔だから小型のインクジェット複合機に変更しただけで、それ以外の理由はない。