HP EliteBook Folio G1
HPからMacbookのような12.5インチ液晶搭載のモバイルノートパソコンが2016年6月上旬に登場する
フルHD(1920x1080)非光沢ディスプレイが標準だが、Adobe RGBカバー率95%でタッチ対応4K(3840x2160)光沢ディスプレイに対応するモデルもある。
これで、厚さは12.4mmで重さはフルHDモデルで1kgを切る970gだ。4KモデルはGorilla Glass 4による強化ガラス採用で高い堅牢性を誇っていることもあり若干重く1.07kgとなっている。
また、液晶はIPSを採用しており視野角は広く、ディスプレイ部は180度まで開くことができるようになっている。
充電はUSB Type-Cポートででき、CPUはCore m搭載だから、MacbookのWindows版という感じだろう。
インターフェイスはUSB 3.1 Type-C兼Thunderbolot 3が2ポートとヘッドフォン・マイク兼用ジャックだけだが、オプションで「HP USB-Cトラベルドック」や「ドッキングステーション」も用意されており、拡張性も確保している。
このあたりは、Macbookと似ているが、MacbookではUSBポートが1つに対し、こちらは2つある。
外部モニタへの出力は、オプションのドッキングステーションで対応することになる。
HP EliteBook Folio G1レビュー
HP EliteBook Folio G1が届いたので、早速レビューをしたい。
といっても、まだ、ざっと現物を見回した感想というところだ。
最初に見た感想は、ちょうど良い大きさだ~ということに尽きる。完全に筆者の好みだが、薄くて幅30cm以内というのは、持ち運ぶPCとしては、譲りたくない。そういう意味では、最高にいい感じだ。これでファンレスなのだからワクワクする。
今回届いたモデルは、現時点で唯一販売されているインテル® Core M5-6Y54 プロセッサーのモデルだ。
カスタマイズではSSDを「最大約9倍の転送速度を誇るNVMe規格のSSD(PCIe Gen3x4)」に変更しただけだ。ドッキングステーションは2種類買った。
オフィスも入れたかったが、購入した時点では選択できなかった。
もう少し待ってm7の4Kディスプレイモデルを買っても良かったが、個人的に4Kディスプレイはオーバースペックのような気がするのでやめておいた。パフォーマンスが足りないということであるのなら、このPCではなく、他のノートパソコンを選択した方がいいように思っている。
さて、それはともかく、いきなり本体ではなく、ACアダプタの話だ。
付属のACアダプタは決して小さくはない。確かに、一般的なノートパソコンのACアダプタと比較すると、小さいし、見た目よりは全然軽いが、それでもそれなりに大きい。
重さは実測で214gだった。
ASUSのChromebookについているACアダプタはもっと小さかったので、もう一頑張りできるとは思うのだが。。。
さて、キーピッチは18mmと18.7mmのどちらが正しいのかということを書いていたが、計測した結果18mmだった。18.7mmというのが間違いだ。
それでも高さも18mmあるので、Let's noteシリーズのように慣れが必要な大きさのキーボードではなく、まあまま普通に打鍵できる。
電源を入れるとWindows10のインストールが始まるわけだが、このとき、ファンクションキーの上の辺りを触ると、それなりに熱くなっていた。恐らく、その辺りで放熱しているのだろう。当然だがヤケドするような熱さではない。
インストールが終わったら、ほんのり熱いくらいに戻っていた。
いろんなソフトをダウンロードしたりインストールしていると、次第に、キーボード横も温かくなってきて、パームレストもほんのり温かくなってきた。
ファンレスであるから、筐体のどこかで放熱するのは間違いないわけので仕方がないのだが、キーボードやパームレフトが熱くなると使い勝手が悪い。
ただ、今のところ、右手側のパームレストがほんのり温かくなってきているのを感じる程度で、不快な感じにまではなっていない。それでもファンクションキー上部はそれなりに熱い。
しかし、当たり前だが、ファンレスでSSDだから無音だ。
キータッチについては、決して深くはないが、十分な打鍵感があるので、現時点では、筆者は全く問題ないように思っている。
重さについては、大きさが大きさなので、「軽っ!」という感じはしない。Macbook Airを持ったときに、思ったより重く感じた人はいないだろうか。恐らくそんな感じで、重くは感じないが軽いとも感じない。見た目通りの重さというところだ。
外観は良くも悪くもビジネスパソコンという感じだろうか。Macbookのような華やかな印象はない。HP製だなという感想だ。
簡単なパフォーマンスチェックと言うことで、WinSATの結果を紹介する。下記の通りで十分なパフォーマンスを備えているといえよう。
プロセッサ | 7.1 |
---|---|
メモリ | 7.8 |
グラフィックス | 5.4 |
ディスク | 9.0 |
ディスクは、さすがに速い。筆者が使っているデスクトップPCはSAMSUNG SM951 M.2 SSD (PCI Express x4接続)を載せているが、それで8.95なのでそれより速い。
グラフィックスに関しては低いが、それ以外は総じて高い値を出している。ちなみにゲーム用グラフィックスに関しては測定不能だった。
CrystalDiskMarkの結果も紹介するが、かなり高速だと思う。
ThinkPad X1 Carbonと比較しても、十分なパフォーマンスがありそうだ。
バッテリー駆動時間だが、30分で10%くらい減っていくような印象だ。
これでいくと、5時間くらいしか持たないことになる。実際、1時間ちょっとエディタを使って記事を書いたりしていたら80%まで減っていたので、スペック上の時間は期待できそうもない。
バックグラウンドで動作するアプリを設定する箇所があるので、そこで片っ端からOFFにしていってたら、かなり改善した。バッテリー駆動時間が短いと感じるようなら、一度確認してみてほしい。恐らく不要なアプリが大半だと思われるので、問題ないはずだ。
筆者の環境で一番バッテリー駆動時間を減らす原因は、Dropboxだと思われる。この同期をOFFにすれば、もう少し改善するのかもしれない。
記事をかいていて気になったのは、入力をしていると、タッチパッドが自動的にオフになってしまう設定になっているようなのだが、これを解除する方法がわからなくて困った。
タッチパッドの左上にインジケータランプがあり、そこをダブルタップすることでON/OFFできるようになっているようだ。
他にもどこというわけではないのだが、タッチパッド全般的に若干癖があるように感じた。取り立てて不満があるわけでは無いのだが、あまり使い勝手がいい印象はない。できる限りはマウスで使いたいと思っている。
ところで、この製品の仕様を見ても外部ディスプレイに関する記載が一切ない。
ただし、ドッキングステーションには、HDMIやDPの端子がついているので、出力できそうだとは思っていたが、実際に繋ぐまでは半信半疑だった。
DPで実際に繋いだところ、デュアルディスプレイで動作は確認できた。また、複製にして表示させるための設定箇所もあったので、そのように動作させることもできる筈だ(未確認)。
ビジネス用途のPCであることからも、プレゼンに使えるような仕様にはなっているだろうと思う。
設定画面では、1920x1200のディスプレイを本体よりちょっと大きめに認識していたので、そのくらいの解像度は対応できるのではないかと思う。実際にその大きさで表示されたのかは確認するのを忘れたので、後日機会があればもう一度じっくり確認してみたい。
トリプルディスプレイに関しては、未確認だ。
HP EliteBook Folio G1はMacbookより少し大きく少し薄い
大きさは、292x209x12.4mmと、小さく収っている。標準液晶モデルは厚さが更に薄い11.9mmとなる。
ちなみに、Macbookは、280.5x196.5x13.1mmであるが、これよりは若干大きく少し薄い感じだろうか。
厚さは薄いが、キーボードは防滴で、キーストロークは1.3mm確保し、バックライトにも対応する。
キーピッチは18.7×18.7mmとほぼフルピッチある。ただ、スペック上はそうなっているが、製品情報のページではキーピッチ18.0mmとなっており、どちらが正しいのかは現時点では不明だが、現物を測定したら18mm×18mmだった。この大きさにしては十分だろう。
薄いノートパソコンの場合、堅牢性が犠牲になることがあるが、HP EliteBook Folio G1では米軍調達基準を満たす堅牢性を確保しているため、持ち歩いても安心だろう。
CPUは、Core M3、M5、M7が用意されている。
パフォーマンスに関しては、CPUがCore Mでファンレス設計あることを考えれば、過度の期待はできないだろうが、ビジネス用途の利用であれば問題ないレベルだろう。
この開発ではマイクロソフトとインテルの協力によってドライバと設計を調整し、パフォーマンスとバッテリ駆動時間の最適化を図っているそうだ。
そのおかげかバッテリーでの駆動時間は最大11時間30分となっている。ただし、M7搭載の4Kモデルは7時間程度になるようだ。
ストレージには、SED自己暗号化機能付きSSDを選択することもできる。
他には、PCIe Gen3x4 NVMeのSSDが選択できる。従来のM.2 SSD(SATA接続)の約2倍の読込速度を実現しているそうだ。
どちらも容量は256GBとなり、128GB、512GBはM.2 SSD(SATA接続)のSSDだ。
ビジネス用途ということもあり、ディスプレイ上部にある赤外線カメラでWindows Hello(生体認証)に対応するが、残念ながらM7の4Kモデルだけだ。また、指紋認証センサーもない。
メモリは、オンボードで8GB搭載されているが、増設はできない。
WiFiは、802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth4.2対応だ。
このようなモバイルノートパソコンの場合、サウンド面は音が出る程度であまり期待できないことが多いが、HP EliteBook Folio G1は、その点も実にこだわっている。ビジネス用のPCでサウンド面はどうでもよさそうだが、その辺はMacbookを視野に入れた設計なのだろう。
デンマークのオーディオメーカーであるBang & Olufsenが協力して開発し、本体底面に配置された4つスピーカーがPC利用の際でも音の出口を塞ぐことなくデスクに反射して耳に届くよう最適に配置されている。
そして、ノイズキャンセル機能も搭載されているため、Skypeなどでのオンライン会議も快適に利用できるようなっている。
HP EliteBook Folio G1はモバイルワーカーにおすすめ!
このようにHP EliteBook Folio G1はモバイルワーカー向けに開発されている。
カフェでMacbookを持ってドヤ顔することが流行ったが、これからはHP EliteBook Folio G1もそのような使い方を想定しているもの思われる。
筆者個人的には、幅が30cm未満、重さが1kg未満、厚さが12mm程度で、バッテリー駆動時間も11時間半である点はとても嬉しい。
とはいえ、実際には、そんなに持たない。話半分くらいと思っておいた方がいい。また、電源を切った状態でも、結構バッテリーは減っていく。これは、Windows搭載のPC共通の問題だが、Macbookのようにとまでは言わないが何とかしてもらいたい。
毎日使う人なら問題ないのだろうが、筆者のように、サブマシンとして使う場合、1~2週間使わないことも多い。そんな時にはAC電源がないと起動すらしないのは、ちょっとイラッとさせられる。Macbookが動かなかったら諦めてしまうところだが、動くマシンがある以上、何とかして欲しいと思うところだ。
他には指紋認証が無い点だけは少々残念なところだろうか。
4Kディスプレイに関しては、CPUがCore mである点を考えると、少々オーバースペックなような気がしなくはない。