2in1はタブレットかノートパソコンか?
タブレットしても、クラムシェル型ノートPCとしても使えるのが特長の2in1。
2in1と一口に言っても、そのメカニズムはいくつかある。
Yoga型とも呼ばれる回転型2in1
2in1のスタイルの筆頭は、Yoga型とも呼ばれる回転型2in1。
液晶部分が、360度回転して、タブレットとクラムシェルを切り替えれるようになっているタイプである。LenovoのYogaシリーズがこのスタイルをしていたことからYogaスタイルとも呼ばれている。
回転型2in1のメリットは、軽量化しやすいところだが、デメリットとしてタブレットスタイルにすると、キーボードがむき出しになってしまうことである。
当然、キーボードは効かなくなっているが、キーボードが傷みそうに思ったり、何かと気になるものである。
そのため、タブレットとして使う時のためのキーボードカバーがオプションとして販売されていることもある。
どちらかというと、クラムシェル型ノートパソコンが、タブレットとしても使えるというタイプである。そのため、重さもクラムシェル型ノートパソコン程度のためタブレットしてはかなり重く使い勝手がいいとは言いにくい。
しかし、最新のYoga型は、それなりに軽い。800gを切った機種も登場している。このくらいまで軽くなるとタブレットとしてもある程度は使える重さだ。キーボードむき出しさえ気にならなければ、タブレットとしてもそれなりに使うと言う人にも十分おすすめできる。
ノートパソコンとしてみた場合は、若干重めにはなるが、それ以外の欠点があるわけでは無く全体のバランスはいいので、クラムシェル型のノートパソコンとして使うことが多い人にオススメな2-in-1といえそうだ。クラムシェル型ノートパソコンを検討しているのなら、その中にこのタイプの2in1を含めてもいいだろう。
例えば、回転型2in1のLenovoのYOGA 900Sは、CPUにCore mシリーズを搭載し、12.5型液晶で重さは999g、バッテリー駆動時間は14時間ほどとなっており、今、おすすめ一台だ。
Core mシリーズでは、パフォーマンス的に物足りないと言う人なら、YOGAシリーズのYOGA 900というモデルもある。コチラは13.3型液晶で1.3kg弱となっており、900Sより重くなる。しかし、CPUはCore iシリーズを搭載しているため、高いパフォーマンスを期待できる。
もう少しビジネスよりで考えると、ThinkPad X1 Yogaがおすすめだ。14インチ画面は持ち運ぶには少々大きい印象はあるが、手書き入力対応や、堅牢性などワンランク上の性能が期待できる。
Surface型2in1
MicrosoftのSurfaceが採用している、カバーにキーボード機能があり、タブレットを立て掛けて使うスタイルがSurface型だ。
Surface型は、机の上で使う場合には特に問題はないが、机がない時に膝の上に置いて使う場合はどうしても不安定になる。
また、キーボードはクラムシェル型PCと比較するとどうしても劣る。
そのため、このタイプは基本的には、タブレットがメインで、時々キーボードでも入力をするという人向けだろう。
モニタ部が取り外せるBook型2in1
もう一つの主たる2in1は、モニタ部が取り外せるBook型2in1だ。
モニター部分を取り外してタブレットとして使用できる。
Book型2in1は、タブレットとして利用する際は、タブレットとして不要なキーボードが無いため、いわゆる普通のタブレットと何ら変わりはない。
デメリットとしては、当然だが、タブレット部分にバッテリーも含まれているので、全体のバランスとしては頭でっかちでキーボードと合体させて使うとかなりバランスが悪い。
または、ヒンジ部分が複雑化して全体的に重くなりがちだ。
キーボード部にバッテリーを搭載して、ノートパソコンとしてのバッテリー駆動時間を確保している機種も多く、どうしても全体的に重くなりがちだ。
といっても、最近では1kgちょっと程度で収まっているBook型も登場しているし、バランスがとりやすい形状に各社工夫してきているので、タブレットとしてもノートパソコンとしても使いたいという人でもおすすめできる。
変形型2in1
最後に、それ以外のスタイルの2in1だ。
これは、VAIOが最も得意とするところだろうか。
VAIO Zのみならず、VAIO Duoもこのスタイルだ。VAIO Duoのように液晶画面がスライドしたり、VAIO Zのように液晶部分だけが回転して、タブレットとして利用するときにはキーボードが完全に隠れてしまう。
このメリットは、なんと言っても、使い勝手は、タブレットその物だと言うことだ。しかしながら、この仕組みを入れるために、どうしても、重くなってしまう。このあたりが悩ましいところだろう。
実際、VAIO Zの場合、1.3kgを超えている。ノートパソコンとしては、それなりに軽いが、タブレットとして使うには、かなり重い。
最初の回転型であれば、Let's noteやNECのLavieなどはかなり軽量で、ちょっと重いタブレットくらいの重さと比べると、VAIO Zのそれはとてもタブレットとしては使いたくないくらいに重い。
そう考えると、やはりVAIO Zも、クラムシェルとして使うのが中心だという人におすすめすべき2in1パソコンということになるだろう。もしくは、タブレットPCというイメージだろう。
OSはWindowsか?アンドロイドか?
2in1は、一般的には、ノートパソコンとしても使うことを前提であるので、そういう意味ではWindowsのPCが中心だろう。
ただし、アンドロイドが載った2in1も存在する。これは、当然、タブレット寄りの2in1だ。
普段はタブレットとして利用して、メールを書いたり、Evernoteやブログに文章を書いてみたりという用途なら、Windowsである必要もないから、比較的安価なアンドロイドの2in1がおすすめだろう。
アンドロイドが載っている2in1は、タブレットとして作られているので、CPUを始め、PC全体がタブレットだから、一般的にはもっさりした動作になりがちだが、その分、安価なので、用途が明確なら、アンドロイドという選択もあるだろう。
そうは言っても、それならタブレットを買ってきて、後付けでBluetoothキーボードをつけるという選択肢もあり、わざわざ2in1でなくてもいいのでは?なんて疑問もわかなくもないところ。
2in1としては、やはりノートパソコンとしてWindowsが載ったPCの方が2in1らしいように感じてしまう。このあたりは、2in1に何を求めているかだろう。
2in1というと、CPUは、Atomを搭載しているものが少なくない。
ところが、Windowsを動かすには、やはり非力だ。
確かに、ブラウザを立ち上げてメールをしたりという程度のことであれば、使えなくはない。エクセルも動くし、イライラするほど遅くはないかもしれない。
しかし、それでも、動きは遅い。もっさりしている。
OSにアンドロイドでなくてWindowsを選んだ人なら、恐らくWindowsのソフトを動かしたいとか、それなりに、作業をするつもりなのではないだろうか。
であれば、Atom搭載2in1はおすすめできない。いや、やめておいた方がいいと思う。
WindowsパソコンとしてAtomは非力だ。動画を見ているだけならいいだろう。でも、それならWindowsである必要はない。
Windowsを選ぶのなら、Atomはやめて、Core-m3以上を絶対におすすめしたい。
パソコンを紹介している大手サイトでは、Atom搭載の2in1をそれなりに動くようなレビュー記事などを書いてあるが、その辺は、メーカーに気をつかっているに過ぎない。
恐らく著者はそんな非力なPCで記事を書いたりはしないだろう。使いこなせば使いこなすほど、非力さが気になってくる。
ただし、普段はタブレットとして使うつもりだけど、エクセルを使うこともたまにあるから、一応Windowsが欲しい。でも、予算は限られている。そんな人なら、おすすめはしないが選択としてもなくは無いようには思う。
でも、本音で言えば、それなら安いWindowsのノートパソコンとタブレットを買った方がいいのではないかという気もする。