モバイルルーター・ホテルルーターの比較
以前は、ホテルでインターネットはなかなか使えなかったのだが、最近のビジネスホテルやシティホテルでインターネットはもはや当たり前の時代になった。まだ、インターネット接続自体が有料のホテルもあるが、多くは無料でインターネットを使えるようになっている。もちろん、温泉旅館や温泉ホテルの場合は、部屋では使えないというところも少なくない・・・
それはともかく、ホテルで用意されているインターネットに接続する方法としては、有線LANと無線LANがある。無線LANしかないホテルも少なくない。
ところで、スマホやタブレットなどは、有線LANのケーブルを挿すことはできないのだから無線LANがないと使えない。LTEなどの電波が届けば、通信自体はできるだろうが、通信量を節約するという点を考えても、ホテルにインターネットがあるのならその回線を使いたいのではないだろうか。
また、スマホ一台だけならホテル毎に無線LANの接続の設定をするのも面倒ではないが、パソコンにタブレットと複数の機器を全てホテルのLANに繋ぎたいとなるとかなり面倒臭い。
そんな時に便利なのが、モバイルルーターとかホテルルーターと呼ばれる、超小型の無線LAN親機だ。最近の機種は、有線LANのみならず無線LANにも接続できるようになっているホテルルーターも少なくない。
無線LANに繋がるので、ホテル以外のフリーWi-Fiにも接続できるので、セキュリティ面でも導入しておいて損はない。
通常の無線LAN親機は、自宅などに置くようにできているから、英語の辞書くらいの大きさはあるが、このモバイルルーターは本当に小さく、スマホなんかより全然小さい。少し前だと、小さなスマホ程度の大きさはあったものだが、最近のモバイルルーターは本当に小さい。
20g程度のホテルルーターも少なくないので、持ち歩いても全く気にならないだろう。
ところで、モバイルルーターというと、ワイモバイルなど直接インターネットに接続できるWiFiルーターを指すケースも少なくない。
ここで紹介しているルーターはあくまでも、ホテルなどで有線LANを無線化するWiFiルーターのことである。
ワイモバイルなどのポケットWiFiについてはコチラで、また、同様にWiMAXのルーターについてはコチラで紹介しているので、そういう意味のモバイルルーターを探している方は参照して欲しい。
ホテルルーターおすすめ一覧
というわけで、ここでは、おすすめのモバイルルーターを紹介していく。
上記でも触れたが、2.4GHz帯は混んでいてる。WiFi対応のホテルの場合も、ほとんどこの周波数帯を使っているし、ホテルルーターを使っている他の客も多くはこの周波数帯を使っているため、どうしても混んでいるし、電波干渉も多い。そうすると、本当に遅くて使い物にならないことが多々あるのだ。
一方で、最近の規格である5GHz帯は、スカスカに空いていることも少なくない。そもそも5GHz帯は、2.4GHz帯より電波干渉に強い。周波数が高くなると壁などを回り込まなくなるが、ホテルの部屋で使うことを考えると問題ないだろう。
今後のWiFi対応機器はほとんどがこの5GHz帯の規格に対応してくるはずだから、若干価格的には高くなるが、接続機器が5GHz帯に対応しているのであれば、5GHz帯に対応しているホテルルーターを強くおすすめする。
バッファロー WMR-433W2
USBで給電するタイプだ。直づけでない分、ちびファイ2acより、単三電池より軽い。
2.4GHz帯と5GHz帯はスイッチで切り替えるタイプで、ちびファイ2acと近い仕様だ。
無線LANにも接続できる。
セキュリティはWEP(64/128bit)、WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(AES)、WPA2 mixed PSK(AES)に対応している。
カラーはブラックを始め全8色も用意されている。
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 ac/n/a/g/b | 2.4GHz帯、5GHz帯 | 19g | 45×45×15mm |
PLANEX MZK-DP150N ちびファイ3
MZK-DP150Nは、コンセントに直接指すタイプのWiFiルーターだ。これなら、忘れ物は無い。一般的なモバイルルーターの場合、充電用のUSBケーブルが必要だが、この商品は不要だ。その代わり、コンセントとLANポートが離れているのに、LANケーブルが短かったりすると使えない。
また、狭めのホテルの部屋の場合、コンセントの形状とか位置によっては挿せないというケースも考えられる。
ACの延長コードを持ち歩くというあまりスマートではない対策はあるが・・・なお、100V~240Vに対応しているから海外でもそのまま使える。
比較的混雑している2.4GHz帯しか対応していないのも残念だ。
セキュリティはWPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(AES)にのみ対応している。
また、有線LANのほかWiFiにも接続できるようになったことで、ホテルの無線LANに接続できるWiFiルーターだ。
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 n/g/b | 2.4GHz帯 | 55g | 30×45×55mm |
I-O DATA WFS-SR03K
2.4GHz帯と5GHz帯が同時に使える。さらに有線LANでの接続も同時に可能だ。
USBケーブルで給電するタイプだがUSBケーブルは自分で繋ぐタイプだから長めのUSBケーブルを使えば自由度はかなり高い。
3,350mAhのバッテリーを内蔵しているためモバイルバッテリーとしても使える。加えてSDカードリーダー・ライターとしても使えるし、WiFiで繋いだスマホからSDカードにコピーするなどもできるようなっている。もはやルーターなのか何なのか分からない。
そのため、重さは120gとかなり重い。モバイルバッテリーなのだから仕方ないというところだろうか。
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 ac/n/a/g/b | 2.4GHz帯、5GHz帯 | 120g | 90×78×23mm |
I-O DATA WN-AC583TRK
PLANEX ちびファイ2acの弱点を解消した?ホテルルーター(ポケットルーターとIOデータでは呼ぶらしい)。2.4GHz帯と5GHz帯が同時に使える。さらに有線LANでの接続も同時に可能だ。
USBケーブルで給電するタイプだがUSBケーブルは自分で繋ぐタイプだから長めのUSBケーブルを使えば自由度はかなり高い。最大750mAだからスマホ用ACアダプターで十分動作する。
ただし、ちびファイ2acと比べると、かなり大きいし、重い。大きさは4倍、重さは2倍というところだろうか。
そうはいっても持ち歩くのに邪魔になるような大きさでも重さでもない。大きい筐体のせいで見た目ほど重さは感じない。自由度は一番高いだろう。大きさが気にならなければ、おすすめだ。
このルーターは初期設定では、アクセスポイントモードとなっている。ルーターとして使うのであれば、設定変更に必要がある。
なお、余談だが、ちびファイはアクセスポイントモードは無い。初心者の人にとっては設定箇所がいろいろあるとトラブルの元になりかねないためだろう。
セキュリティはWEP(64/128bit)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)に対応している。
一方で、ホテルによってはいろんな認証方式があるかから、ある程度慣れた人なら設定箇所が多い方がトラブったときに便利だろうから、そういう意味ではこのルーターは中級者以上におすすめと言えそうだ。
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 ac/n/a/g/b | 2.4GHz帯、5GHz帯 | 52g | 80×62×22mm |
AtermW500P
5GHz帯にも対応しているがスイッチで2.4GHz帯と切り替えるタイプで、同時利用はできない。
有線LANだけでなく、BBモバイルポイントなどのWiFiスポットにも対応しているので、カフェなどでこのルーターを接続させることも可能だ。
ACアダプタはついているが、USBでの給電にも対応している。
セキュリティはWEP(64/128bit)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)に対応しているが、11ac及び11nではWPA-PSK(AES)、WPA2-PSK(AES)のみ対応となっている。
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 ac/n/a/g/b | 2.4GHz帯、5GHz帯 | 34g | 58×58×15.8mm |
PLANEX MZK-UE450AC ちびファイ2ac
IEEE802.11 acに対応した最大433Mbpsのホテルルーター。速さについては、ホテルのLAN自体が遅いことが多いので、気休め程度だろう。それよりは5GHz帯で接続できるのがこのルーターの最大の特長。
本体収納のUSBケーブルで給電するタイプ。スマホのUSB充電器やPCに挿して使うが、ケーブルが短いので、ちびファイ3同様、多少、設置場所の影響は受ける。
ただし、2.4GHz帯と5GHz帯を同時に使うことはできないため、全てのWiFi機器が5GHz帯で接続できないと、使い勝手は悪くなる。
WPSにも対応してる。サイズは本当に小さいので、カバンに入れっぱなしにしておいても問題ないだろう。
セキュリティは、WPA2-PSK(AES)、WPA-PSK(AES)に対応している。
また、2016年6月10日からファームウェアの更新で有線LANのほかWiFiにも接続できるようになった。
2019年現在、入手困難だが・・・
対応規格 | 周波数帯域 | 重さ | 外形寸法 |
---|---|---|---|
IEEE802.11 ac/n/a/g/b | 2.4GHz帯、5GHz帯 | 21g | 64.5×15.2×22.7mm |
以上が、おすすめのホテルルーターだ。一応、おすすめ順に並べてみたが、個人的にはIO-DATAのホテルルーターが一番勝手が良さそうでおすすめだ。現状入手困難だが・・・
実際に買った。サイズ的には大きいが、5GHz帯に対応していないPCなども持っているので2.4GHz帯と同時に使えるのは便利だし、設定箇所が多そうなところも気に入った。。
ただ、まだ使ってみてはないので、レビューは後日機会があれば掲載したいとは思っている。
次におすすめするのはバッファロー。ちびファイ2acもいいがUSB直付けをどう判断するかというところだろう。
Androidのスマホを使っている人ならUSBのケーブルは持ち歩いてる可能性は高いだろうからあまり問題にならないと思うが、iPhoneの人は、別途USBケーブルを持つのをどう考えるかだろう。邪魔になるほどのものでもないが、忘れてしまうという可能性は否定できない。
話は代わるが、筆者は以前ホテルルーターを古い機種だが1台持っていた。
ところがこのルーターはろくに調べずに買ったため、ACアダプタが必要だったのだ(最近はあまり無いようだが・・・)。そして、このACアダプタが結構でかい。といってもスマホの充電器みたいなものだが、本体が小さいので余計に邪魔なのだ。もし、USB給電ならスマホ用にUSBが挿せる充電器はいつも持っているから、それに挿せばACアダプタ分荷物が減ったのに・・・と後悔したものだ。
たかがACアダプタなわけだが、こういう小さな物も少しずつ積み重ねるとそれなりの重さになるし、忘れるなんてこともあるので、持ち歩く物は少ないに越したことはないと思う。
また、どこかのホテルに、某社のホテルルーターが各部屋においてあった(製品番号などは失念)のだが、この製品は電源を入れると高周波のキーンという音がしてかなり耳障りだった。もしかするとそういう製品も存在するのかもしれないので、気になる人は、注意した方がいいだろう(といってもAmazonなどのレビューくらいしか判断材料はないかもしれないが・・・)。
同時接続数も、あまり明記されていないことが多いが、4~5台までが一般的だろう。
ホテルの部屋で1~2人で接続して使うというイメージで開発していると思われるので妥当なところだろう。バッファローのルーターも1人で使用することを推奨すると明記しているところを見ると、複数台接続すると遅くなると思われる。
ちょっと古い記事だが、他サイトの記事も紹介しておく。
ホテルの有線LANをWi-Fi化できる「小型ルーター」を比べたぞ!
2013年4月現在のホテルルーター6種類のレビュー記事
- バッファロー「WMR-300」
- フォーカルポイント「Kanex mySpot」
- プラネックスコミュニケーションズ「ちびファイ2 MZK-UE150N」
- アイ・オー・データ機器「WN-TR2K」
- ロジテック「LAN-W150NU2HT」
- ロジテック「LAN-W300N/RSS」
2013年10月現在のホテルルーター4種類のレビュー記事
- エレコム「WRH-150」
- バッファロー「WMR-300」
- アイ・オー・データ機器「WFS-SR01」
- ソニー「VGP-WAR100」